症例報告ブログ

虹彩萎縮

  • 虹彩萎縮について

虹彩萎縮は多くは老化にともなって進行する病気です。瞳孔のふちがギザギザになってきたり、虹彩自体が薄くなったりします。

しかし、少数ですが他の眼の病気で発症することもあるので注意が必要です。

  • 症状

瞳孔を狭めることができなくなったり、狭めても虹彩にあいた穴から光が漏れてしまったりするので、明るいところでとくにまぶしがることが増えてきます。暗いところでは症状が落ち着くのが特徴です。

  • 診断

虹彩を実際に見ることで行います。また、他の眼の病気でもまぶしがる症状がでることがあるので広く眼科検査をします。

  • 治療

予防や進行を止める治療はないため、患者の負担にならないように日中の散歩などは控えた方がよいかもしれません。

 

 

 

 

赤血球指向性マイコプラズマ感染症

 

・赤血球指向性マイコプラズマ感染症とは

赤血球指向性マイコプラズマが猫の赤血球表面に感染し、溶血性貧血が引き起こされる。

 

・原因

Mycoplasma haemofelis、M.haemominutum、M.turicensisが猫に感染する重要な3株のマイコプラズマと言われている。

 

・症状

元気消失、食欲不振、沈鬱などの非特異的症状に加え、貧血、黄疸、発熱、可視粘膜蒼白、脱水、脾腫、呼吸速迫などが認められる場合もある。

 

・診断

血液塗抹標本にて赤血球表面に散在あるいは直線状に配列する好塩基性の点状物を確認する。あるいは血液からPCRにて遺伝子を検出する事でも診断可能である。

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・治療方法

テトラサイクリン系抗菌薬の投与が有効であるが、食道炎や食道狭窄を招く可能性があり、十分な水と一緒に投薬することが必要。

またニューキノロン系抗菌薬であるエンロフロキサシンも有効と言われている。

貧血が重度の症例では輸血を行ったり、免疫学的に赤血球が破壊されていると判断した場合にはプレドニゾロンを投与する。

 

・予防

感染経路は完全には解明されていないが、雄であること、ノミ・ダニの吸血、咬傷、母子感染などが感染経路として疑われており、これを予防することが有効であると言われている。

 

・症例

症例:和猫 10歳齢

主訴:元気食欲低下、呼吸速迫、倒れた

検査:血液検査の所見より重度の貧血を認め、PCR検査にてM.haemofelisが検出された。呼吸の速迫があったため酸素下での入院治療を行った。

治療:テトラサイクリン系抗菌薬とニューキノロン系抗菌薬を投与した。貧血が進行するならば輸血を考慮したが、抗菌薬の投薬により貧血が改善したため、入院より4日目で退院した。1か月後のPCR検査ではMycoplasmaの検出はなかったため、投薬も終了した。

 

脛骨異型性症

脛骨異形成症

 

・脛骨異形成症について

脛骨異形成症は、ダックスフンドに特異的にみられる脛骨遠位部が内反もしくは内旋し弯曲する疾患です。この弯曲は脛骨遠位成長板の内側部分が成長停止し、外側部分は成長を続けるため、脛骨遠位成長板の内側と外側が不均一になり起こります。

本疾患での変形は早ければ3ヶ月齢で始まり、8ヶ月齢くらいまでに進行しそこで止まると考えられています。

 

・症状

よちよち歩く、外観がひどいがに股、不自然が歩様などぎこちない歩様を呈するが、一般的には患肢を挙上する程の重度の挙上は見られます。これは犬が環境適応能力に優れているためです。

 

・診断

身体検査およびX線検査によって診断つけることが可能であります。

 

・治療

統一した治療指針はまだありませんが、日常生活で支障をきたす重度の跛行や転倒といった症状がある場合に将来的に骨関節症など発生につながるため手術を勧めることがあります。手術を希望しないオーナー様には、太らせないことや激しい運動を避けることなどの対処療法を提案します。

外科的治療法として、さまざまな変形矯正手術がありますが、当院ではプレートを用いた矯正術を行っています。

 

症例:

犬種:Mダックス

年齢:1歳4ヶ月齢

雌雄:メス

主訴:数か月前から後肢ががに股歩行を示すようになる。

 

身体検査所見:

元気食欲など一般状態は正常。院内歩行検査にて右後肢の膝が外側に向いており、稟告と同様にがに股の歩行を示していた。その他触診での右後肢の痛み、挙上は認められない。

外観所見:

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レントゲン検査所見:

右後肢        左後肢

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レントゲン検査にて健常肢(左後肢)と比較して、患肢(右後肢)は脛骨遠位で内側に湾曲しており、そのため足根関節が内側に向いている。

 

手術所見:

レントゲン検査から湾曲した角度を計測し、脛骨骨切り術を実施した後、プレートにて固定を実施した。

 

術後レントゲン所見(右後肢のみ):

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術後経過:

患肢の湾曲は矯正され、術後経過は良好である。

しらみ

今回は動物の体に住みついてしまうむしについてです

 

シラミ症・ハジラミ症とは、皮膚や被毛へのシラミ・ハジラミの外部寄生のことを言います。動物では特に猫に多く認められ、黒猫の場合は被毛に卵がついている様が観察できますが、淡い毛色の場合は見つけにくいことも多いです。

 

・原因

シラミ・ハジラミに感染している動物への接触。犬から犬へ、猫から猫への感染は頻繁に起こりますが、動物種を超えての感染は稀です。

 

・症状

まったく無症状の個体から、ひどい痒みを伴う症例までいます。黒い被毛の動物では肉眼で虫卵を確認することが可能です。

 

・診断

セロハンテープに被毛を接着させ顕微鏡で観察することで、容易に診断が可能です。

 

・治療方法

フロントラインなどの塗り薬が有効ですが、治療までに時間がかかるので、多数寄生している場合は毛刈りをお勧めすることもあります。また、感染した動物の寝場所は清潔に保つことが必要になります。

 

 

・症例

症例:

和猫  3ヵ月

主訴:

今朝道端で見つけたので、健康診断をしてほしい

検査:

視診により、被毛にハジラミの卵がついているのが観察された。

治療:

感染範囲が広いことから毛刈りを実施し、フロントラインを使用したところ、無事に駆除することができた。

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副腎皮質機能亢進症

脳の視床下部、もしくは副腎の腫大によりホルモンが過剰に分泌される病気で様々な症状を示し、その他の病気の悪化につながる病気です。

 

症状

多食、多飲・多尿、腹囲膨満、左右対称性脱毛など症状は様々である。

合併症として糖尿病、血栓症などがあり、命に関与することもある。

 

診断

血液検査(肝酵素の上昇、高コレステロールなど)レントゲン(肝腫大)、エコー検査(副腎の腫大)、尿検査(低比重尿)などの一般的な検査とACTH刺激試験や低用量デキサメサゾン試験などの検査と組み合わせることによって診断する。

 

治療

副腎の摘出を行う、もしくは副腎ホルモンの放出を抑制する薬剤によるものである。

 

 

 

 

症例 ミニチュアダックスフンド 雌

主訴1ヶ月前から脱毛が見られてきた。

全身状態としては、全身の脱毛、皮膚の非薄化が見られた。

後日、血液検査を実施したところ肝臓の数値が大幅に上昇していたため

さらにACTH刺激試験にて異常が検出されたため、薬の投薬を開始した。

投薬開始後は、発毛が認められるようになり、肝臓の数値の改善が認められた。

現在は皮膚の状態は良好で、肝臓の数値も良い状態である。

 

来院時       1か月後      2か月後      3か月後

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