症例報告ブログ

フェレットのフィラリア症

はじめに

犬猫と違って環境の制約をあまり受けないフェレットは手が出しやすいペットの一つだと思います。

そんなフェレットで今回お伝えしたいのがフェレットの『フィラリア症』です。

 

フィラリア症とは

フィラリア症は犬を飼っている人にはなじみの深い病気ではないでしょうか。

フィラリアとは、感染した蚊に血を吸われることでうつる心臓に住む虫です。

予防が簡単なのに一度感染すると命に関わる病気です。

 

簡単な予防

 

 

 

 

 

 

 

 

予防は簡単、お家で月に1回薬を飲ませるだけです。

予防期間は愛知県ですと5~12月の8か月間です。

お住まいの状況によって、蚊が血を吸う時期が長くなる場合は1年間の予防をおススメします。

フェレットに薬を飲ませることができるのか心配される方もいますが、犬用に販売されている、

お菓子のような薬なので多くのフェレットが抵抗なく食べてくれます。

もし難しくてもその子に合わせた予防を相談させていただけるので心配なかたはご相談ください。

 

検査

 

 

 

 

 

 

 

 

お薬を処方する前に簡単な血液検査で現在の感染状況を確認させていただきます。

残念ながら完璧に診断できる検査はないのですが、できる限り安全に予防するためにおススメ

しています。

別件になりますが、フェレットによく発症する病気に『インスリノーマ』という病気があります。

簡単にいうと低血糖で命にかかわる病気です。

見た目に元気なフェレットでも隠し持っている可能性があるので年1回でも

血液検査で調べておくことが非常に重要です。

フィラリア検査のついでに調べることもおススメします。

 

免疫介在性溶血性貧血

今回は免疫介在性溶血性貧血(IMHA)について触れていきたいと思います。IMHAとは補体を介して直接的に、あるいはマクロファージによる貪食により赤血球の崩壊が亢進する疾患であり、その原因や溶血の機序について不明な点も少なくありません。

IMHAは

  • 抗体の産生機構に異常をきたすことで自己抗体が産生される(特発性IMHA)
  • ウィルス・細菌などの感染により赤血球膜の抗原が変化して抗原性を獲得し、その抗原と反応する抗体が産生される(二次性IMHA)

以上のような機序により発症します。

犬においては特発性IMHAが多いとされ、好発犬種としてコッカースパニエル、プードル、マルチーズなどが挙げられます。一般に雌は雄よりも発生頻度が高く(約3~4倍)、中年齢(2~8歳)での発生が多いとされています。この疾患は、罹患後2~3週間で死亡する例も多く、早期診断・治療が必要な疾患です。

症状は基本艇的に急性貧血に伴うもので、元気消失、食欲廃絶、可視粘膜蒼白、呼吸促拍などがみられる。

IMHAの診断においては

  • 溶血を疑う貧血
  • 球状赤血球症、赤血球自己凝集、直接クームス試験陽性の内1つ以上当てはまる
  • 溶血を引き起こすほかの疾患の除外

といった検査結果から本症例を疑います。除外すべき他の疾患としては玉ねぎ中毒、腫瘍、バベシア症、猫ならヘモプラズマ感染症などがあります。また、多発性関節炎や全身性エリテマトーデスのような免疫疾患についても注意が必要です。

球状赤血球

 

 

 

 

 

 

 

:球状赤血球

重篤な急性のIMHAでは死亡率が高く、血栓塞栓症や播種性血管内凝固(DIC)が死因となることが多いため、急性例に対しては入院下で抗血栓凝固療法を併用することがあります。溶血の進行が激しく輸血をしないと死亡の可能性がある場合には輸血も実施されます。

処方としては、免疫抑制量のプレドニゾロンを投与します。免疫効果を高めるためやプレドニゾロンによる副作用を軽減するため、最初からシクロスポリンやアザチオプリンなどの他の免疫抑制薬を併用することもあります。

症状が改善し、血液検査での貧血が改善・安定されてきたらプレドニゾロンの投薬量を段階的に減らしていきます。プレドニゾロンを休薬できるまでに症状が落ち着いていたとしても、休薬後も定期的に血液検査を続けることが望ましいです。臨床症状がなくとも、血液検査で貧血の傾向が見られたら投薬を再開します。また、投薬を継続しなければいけない症例やプレドニゾロンに対する反応が乏しい症例も少なくありません。

<症例>

パピヨン 12歳

RIMG8416

 

 

 

 

 

 

 

主訴:

元気・食欲不振、ふらつきを主訴に来院

検査:

赤血球数(RBC):2.46M/μℓ、ヘモグロビン(Hb):5.7g/dL、ヘマトクリット(Hct):17.6%

画像検査にて腹腔内出血や貧血の原因になるような著変はみられなかった

血液塗抹にて球状赤血球がみられた

治療:

プレドニゾロン2mg/kgから開始。3病日目からはシクロスポリンの併用を始めた。治療開始から一ヵ月半ほど経過したところ、赤血球数(RBC):3.92M/μℓ、ヘモグロビン(Hb):9.6g/dL、ヘマトクリット(Hct):27.9%まで上昇。今後も経過を見ていく。

子猫の健康診断

子猫の健康診断について

さまざまな理由で新しい子猫を迎え入れた方へ、子猫の健康診断はすんでいますか?

見た目上健康な子でも様々な問題を抱えている可能性があるので病院への受診をおすすめします。

 

健康診断

・触診:栄養状態、風邪をひいていないか、ノミやシラミなどの外部寄生虫などを確認します。皮膚病、外耳炎の有無を確認します。

・聴診:心疾患や呼吸器疾患の有無を調べます。

・検便検査:寄生虫疾患などを調べます。下痢等の症状がなくても寄生虫などにかかっている場合があります。

・血液検査:内臓の疾患や貧血などを調べます。また検査に適した時期がありますがエイズや白血病などのウイルス疾患の有無を調べることもできます。

 

・症例

症例:

和猫  約2カ月齢

ゆりあ

主訴:

保護した仔猫の健康診断および軟便を主訴に来院

検査:

糞便検査よりネコ回虫とコクシジウムの寄生が確認された。

また身体検査でノミが確認された。

かいちゅう

こくし

治療:

コクシジウムに関しては抗原虫薬の投与、回虫に対してはノミと同時に治療できるブロードラインという製品で治療しました。その後、健康状態も良くワクチン接種も実施され健康に過ごしています。

ウサギ 不整咬合

・原因
短頭種(ネザーランドドワーフ)、ケージをかじる、外傷、不適切な食事内容などでおきます

・症状
涙が出る、くしゃみ、眼が飛び出す、ヨダレを垂らす、手がヨダレで汚れている、痩せている、食欲がない
おなかが張っているなど様々な症状が出ます

・診断
口腔内の目視、レントゲン検査、CT検査

・治療法
不整な切歯(前歯) 、臼歯(奥歯)の切削
当院では臼歯は麻酔下で、切歯は覚醒下で切削しています
どちらも一長一短です
ただ一度不整咬合になってしまうと完全に正しい歯の形にすることはできません
定期的に切削を行う必要があります
また食事内容でペレットが多すぎる場合が非常に多いです
ペレットは体重の1パーセントくらいで十分です
チモシーなどを常食として与えるようにしましょう

・症例
3歳齢
ロップイヤー
去勢オス

・主訴
ペットショップで歯が伸びすぎていると言われた

・治療経過
目視で確認すると上下切歯と上顎臼歯の過長を認めたため
沈静化で切歯と臼歯の切削を実施
その際臼歯の1本がぐらぐらしていたため抜歯した
その後1ヶ月に1回切歯の切削を無麻酔下で実施している

・写真
過長し抜歯した臼歯

RIMG3916

肩関節脱臼

肩関節脱臼

肩関節脱臼とは?
肩関節は高い可動性を持っている関節であり、関節包や靭帯、周囲の筋肉群によって安定化されている。特に関節の安定化には関節包や靭帯が重要であると考えられている。
肩関節脱臼は内方脱臼、外方脱臼、前方脱臼、後方脱臼に分類され、その発生は内方脱臼が最も多く、約80%に達するとの報告もある。

治療方法
本疾病には様々な治療報告がある。治療方法には内科的治療方法と外科的治療法がある。内科的治療方法としては副子を用いた一時的固定化は、主に関節の損傷がない急性の場合に行われるが、再脱臼が生じた場合外科的治療法が必要となる。
 外科的治療法としては、上腕二頭筋転移術、棘上筋腱転移術、人工靭帯による関節上腕靭帯再建術、関節固定術、関節鏡による熱関節包縫合術など数多く報告されている。当院では人工靭帯を用いて関節上腕靭帯再建術を用いて治療を行っている。

症例
 6歳の去勢雄、体重3.5kgのトイプードルが突然の左前肢の挙上を主訴に当施設に来院した。患者は多頭飼育、完全室内飼育であり、落下や事故などの外傷歴はなく、過去に跛行を呈したことはない。

検査所見
 X線検査にて上腕骨頭の内方への変位が認められた。また側面像において、上腕骨頭と肩甲骨が重なる所見が認められた。

治療および経過
 人工靭帯による関節上腕靭帯再建術を選択した。患者は手術から6日後に退院し、術後10日で抜糸を行った。歩様や患肢の運動性および負重は徐々に回復し、安定した歩行が可能となった。現在、患者は良好に推移している。