症例報告ブログ

色素性角膜炎

<色素性角膜炎とは> 角膜へのメラニン色素沈着を伴う角膜炎で、特にパグやシー・ズーなど短頭種の犬に多くみられます。

<原因> 角膜への慢性刺激で、睫毛の重生・乱生(いわゆる逆まつ毛)や眼瞼内反・外反などの眼瞼の異常、あるいは乾性角結膜炎(ドライアイ)などによって起こります。

<症状> 角膜上皮や実質への色素沈着で、角膜への血管新生や結膜充血がみられることもあります。

<治療> 一般的には刺激の原因を取り除いて色素沈着の進行を止めます。睫毛や被毛の接触によるものでは角膜に当たっている毛を定期的に抜きます。ドライアイの場合はヒアルロン酸やシクロスポリン点眼を使用することもあります。

 

<症例>

6歳のシー・ズー、オス。

最近、眼が濁ってきたようだと来院されました。

眼圧は正常、角膜にキズはありませんでしたが、両眼の角膜に色素沈着と混濁が認められました。

現在は眼瞼周囲の被毛を整え、ヒアルロン酸の点眼で角膜を保護し、経過をみています。