脛骨異型性症
脛骨異型性症
・脛骨異型性症とは
脛骨異形成症は、脛骨遠位が内反する疾患です。この疾病は、脛骨遠位内側成長板の機能障害が原因とされており、跛行や外観上の問題が重度である場合は外科的治療が必要になります。本疾病は日本で飼育頭数の多いミニチュアダックスフンドにおいて好発するため大きな問題になっています。
・診断
跛行を示す疾患の除外と、左脛骨のX線検査を実施し、脛骨の内反を確認することです。このX線検査から、矯正手術を行う角度を求めます。
・治療方法
脛骨異形成症の外科的治療方法は、骨切り後に骨の内反を矯正し、最後に固定する方法が一般的です。固定方法には創外固定やプレートを用いた内固定などが報告されています。当院ではプレートを用いて固定を行っています。
・症例
犬種:ミニチュアダックスフンド
年齢:9ヵ月齢
雌雄:未去勢雄
主訴:後肢の歩様状態の異常を主訴に当施設に来院した。歩様状態の変化は徐々に進行性であり、最近になり顕著に認められるようになった。患者は落下や事故などの外傷歴はなく、過去に跛行を呈したことはない。
・検査
視診:歩行は可能であるが時折うさぎ跳び様の歩様を示し、走行時により顕著に認められた。
四肢の触診:特記事項なし
レントゲン検査:左脛骨遠位部に内反が認められた。内反する角度は、左脛骨において31.9度、右脛骨において7.6度であり、左脛骨が右脛骨に比べて24.3度大きく内反していることが確認された
治療および経過
今回の症例ではプレートを用いた開放性楔形骨切り術を実施した。手術後のX線検査では,左脛骨の内反角度は9.84度に矯正されていた。患者の歩様は改善し、現在経過良好である。
OPE直後
抜インプラント後