症例報告ブログ

ネコのワクチンについて

今回はネコと一緒に生活する上で大切なことであるネコのワクチンについて
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・猫のワクチンの種類

猫のワクチンには何種類かの病気を同時に予防できる混合ワクチンと、ネコエイズを予防する単剤のワクチンがあります。

①混合ワクチン

混合ワクチンは感染症の中でも致死率の高いウイルス感染を予防するためのワクチンです。猫では3種混合、6種混合、7種混合ワクチンがありますが、3種混合ワクチンに含まれているウイルス(下記の1-3)は、猫で一般的に認められるウイルスのため室内外の猫でも接種する必要があります。

  1. 猫ウイルス性鼻気管炎
  2. 猫カリシウイルス感染症
  3. 猫汎白血球減少症
  4. 猫白血病ウイルス感染症
  5. クラミジア感染症

また、6種混合ワクチンには3種混合ワクチンに加えて猫白血病ウイルス感染症のワクチンが、7種混合ワクチンではさらにクラミジア感染症のワクチンが含まれています。飼育している猫が室内飼いか否かでも接種するワクチンは異なってきますので、獣医師と相談の上決定しましょう。猫の混合ワクチンは生後2か月目、3か月目に2回接種し、その後は一年ごとに接種していきます。

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②単剤ワクチン

猫の単剤ワクチンとしては猫免疫不全感染症(通称猫エイズ)を予防するワクチンがあります。猫エイズは猫同士の喧嘩で主に感染する病気で、人間のエイズの様に免疫力の低下が起こる病気です。そのため屋外飼育、室内飼いだが外にも出る猫、同居猫に感染猫がいる場合などにワクチンの接種を勧めています。猫エイズのワクチンは混合ワクチンと接種時期をずらし、初回に2-3週間ごとに3回接種し、その後は一年ごとに接種を行います。

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・ワクチンの副作用について

ワクチンには種類に関係なく副作用の可能性があります。一番危険なのはアナフィラキシーショックという接種後30分以内に起こる反応であり、時に致死的です。数千から一万件に一件ほどの低い割合で起こる副作用ですが、初めてワクチンを打つ場合は接種後の数十分は病院の近くにいるなどの対処法をとることができます。他にも、顔の腫れ(特に目の周り)、嘔吐、下痢や免疫疾患などを起こす個体が存在します。また、猫ではワクチン誘発性の腫瘍があることが知られています。注射部位にしこりがある場合は、慌てずに動物病院に来てください。