症例報告ブログ

ひも状異物

今回は猫で多く見かけるひも状異物についてです!若い猫ちゃんが毛玉や、ゴムひもなどで遊んでいるときにそのままひもを飲み込んでしまうのは珍しい事ではありません。しかし、ひもは飲み込むととても危険ですから、遊ばせないように気を付けてくださいね。

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・症例
症例:和猫 2歳 雄
主訴:昨日より頻回の嘔吐
検査:エコー検査で異物を疑う腸管が確認されました。 (アコーディオン像)
ひも状遺物 (2)
治療:
開腹術により腸管から異物を摘出しました。開腹後も食事等の管理、抗生剤の投与を行い、術後合併症なども起きずに、元気になっています。
(図:取り出された異物)
ひも状遺物 (1)

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・ひも状異物とは
ひも状異物はその名の通り、ひもや糸などの異物により腸閉塞を起こすような病態を言います。若齢のネコでは特に多く、ひもや糸などで遊んでいるうちに、それらを誤飲してしまい起こることが多いです。
ひも状異物では腸管が広範囲に影響を受けることが多く緊急的な処置を必要とすることが多いです。

・症状
一番多い症状は急性的な嘔吐、食欲不振などです。

・診断
エコー検査が有効的です。またレントゲン検査や血液検査も、診断の補助になることがあります。はっきりしない場合は、消化管造影検査なども行います。まれに身体検査で口腔内に異物の一部が確認されることなどもあります。
ひも状異物は診断が難しいこともあり、疑いが強い場合は試験的な開腹手術で異物の有無を確認する場合もあります。

・治療方法
外科により異物を摘出します。手術後も術後合併症などが起きないか経過をしっかり観察する事が必要です。