症例報告ブログ

膀胱結石

今回は尿石のお話です。特に雄のねこちゃん、わんちゃんでは尿道に石が詰まって尿が出なくなることがありますので、すぐに病院に来てあげてくださいね!

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症例:パピヨン、去勢雄、8歳
主訴:2~3日前から排尿困難、血尿。
検査:
X線検査‐の画像(黄丸)で示すように膀胱内と尿道に結石が認められた。
治療:
来院時に排尿困難が認められ、X線検査で示すように尿道を結石が塞いでいたため、尿道カテーテルで尿道結石による閉塞を解除したのちに、膀胱を切開し結石を摘出した。
現在、排尿障害、血尿は認められず経過良好である。
B00000001 (3)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・膀胱結石とは
膀胱結石とは尿石症の一つで、膀胱に結石を形成した病的状態である。

・原因
結石成分の過飽和状態、尿pH、結晶核の存在等が挙げられるが、体質によるところが大き
い。特に犬においてもっとも一般的な尿石症であるストルバイト ( リン酸アンモニウムマ
グネシウム ) はウレアーゼ産生菌の感染が結石形成の重要な要因である。

・症状
血尿、頻尿、排尿困難などの膀胱炎症状などが考えられる。

・診断
身体検査所見と尿検査に合わせ、X線検査または超音波検査が必要である。

・治療方法
内科治療:
結石の種類やサイズ、性別にもよるが、主に療法食による利尿促進と抗生剤による感染のコ
ントロールが中心である。

・外科治療:
膀胱結石が大きい場合や結石が食餌療法で溶解困難な場合、雄の尿道に閉塞している場合
は外科的な治療が必要となる。外科処置としては尿道から膀胱に結石を押し戻すような処
置 ( フラッシュ ) や膀胱切開である。