症例報告ブログ

歯周病 

今回は人間でも大切な歯磨きが関係してくるお話です!愛犬や愛猫とのスキンシップの際にお口が臭い!!なんて嫌ですよね?!

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症例:ミニチュアダックスフンド、雄、13歳
主訴:口臭の悪化、ドライフードの食べが悪い
院内検査:
口腔内検査―重度の歯石付着、歯肉の退行および歯肉の炎症が認められた
血液検査―特記事項なし
レントゲン検査―特記事項なし
経過:
術前検査を行った後、全身麻酔下で歯石除去および切歯(前歯)抜歯を行った。術後は歯みがき指導を行い、オーナーが歯みがきコース*の受講を選択したため、2週間から2ヵ月の間隔で歯みがき指導を行っている。

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術前画像                 術後画像

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・歯周病とは
歯周病とは歯肉にのみ炎症が生じる歯肉炎と、他の歯周組織にまで炎症が波及した歯周炎の総称であり、犬や猫の口腔内疾患で最も発生率が高い疾患です。

・原因
歯に付着しやすい食事(ウェットフードなど)の摂取や寿命の延長が一因であると考えられています。汚れた歯に付着した細菌が毒素をだし、歯の周囲組織の炎症を惹起します。

・症状
歯肉の赤み・出血、口臭、歯の動揺、硬いフードを嫌がるなどの症状が主ですが、重度な場合には鼻水、流涎、頬の腫れ・出血(特に犬で多い)、顎の骨融解が見られます。

・診断
口腔内検査およびレントゲン検査を行い診断されます。

・治療
内科治療:
歯石の付着が軽度の場合は、歯みがきやガムなどのホームケアが推奨されます。特に歯みがきは外科治療後も維持療法として重要な役割を占めるため、継続的に行っていく必要があります。高齢で外科治療が推奨されない動物には、抗生剤で口腔内細菌の増殖を抑える方法もあります。
外科治療:
歯石の付着が重度の場合は、全身麻酔下で歯石除去および歯周組織が破壊された歯の抜歯を行うことが推奨されます。

*歯みがきコース
歯の健康を保つために、動物看護士による定期的な歯みがき指導および獣医師による口腔内状態の評価を行っている当院のプログラムのひとつ。歯石除去手術を行っていない動物でも参加は可能。