症例報告ブログ

椎間板ヘルニア

今回は人気犬種のダックスフンドやペキニーズに多い病気を紹介します。若い子でも罹患する病気ですので、ダックスフンドを飼っているかたは頭の片隅に覚えておいてくださいね。

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症例:Mダックス、雌、8歳
主訴:今朝から突然後肢が動かない
院内検査:
神経学的検査―姿勢反応の低下(後肢の麻痺)
血液検査―特記事項なし
レントゲン検査―特記事項なし
経過:
内科治療を行うものが、臨床症状の改善がめられないため、椎間板ヘルニアを疑い麻酔下でのMRIおよびCT検査を実施。その後椎間板ヘルニアの手術を実施した。

【MRI検査画像】

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椎間板ヘルニア               正常像

 

【CT検査画像】

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椎間板ヘルニア               正常像

 

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椎間板ヘルニア手術後

 

【手術後のリハビリ器具】

画像6

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鍼治療               レーザー治療

 

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・椎間板ヘルニアとは
椎体と椎体の間に存在する椎間板物質が逸脱し、背側の脊髄を圧迫することにより発症します。遺伝的に軟骨が弱い犬種、運動や外傷に伴い椎間板の髄核が逸脱することや(ハンセンⅠ型)、加齢に伴う線維輪の変性(ハンセンⅡ型)によって発症します。

・症状
麻痺・疼痛・活力の低下・排尿障害・排便障害などが考えられます。

・診断
患者の臨床症状・神経学的検査・レントゲン検査(稀ですが)・麻酔下にてCT検査・MRI検査を行い診断されます。

・治療方法
内科治療:
症状が比較的軽度(軽度の麻痺、疼痛のみ)の場合はプレドニゾロンを主体とした疼痛管理で様子を見ることもあります。

外科治療:
症状が重度(歩行困難・痛覚の消失・重度の疼痛)である場合は外科適応となります。