症例報告ブログ

肩関節脱臼

肩関節脱臼

肩関節脱臼とは?
肩関節は高い可動性を持っている関節であり、関節包や靭帯、周囲の筋肉群によって安定化されている。特に関節の安定化には関節包や靭帯が重要であると考えられている。
肩関節脱臼は内方脱臼、外方脱臼、前方脱臼、後方脱臼に分類され、その発生は内方脱臼が最も多く、約80%に達するとの報告もある。

治療方法
本疾病には様々な治療報告がある。治療方法には内科的治療方法と外科的治療法がある。内科的治療方法としては副子を用いた一時的固定化は、主に関節の損傷がない急性の場合に行われるが、再脱臼が生じた場合外科的治療法が必要となる。
 外科的治療法としては、上腕二頭筋転移術、棘上筋腱転移術、人工靭帯による関節上腕靭帯再建術、関節固定術、関節鏡による熱関節包縫合術など数多く報告されている。当院では人工靭帯を用いて関節上腕靭帯再建術を用いて治療を行っている。

症例
 6歳の去勢雄、体重3.5kgのトイプードルが突然の左前肢の挙上を主訴に当施設に来院した。患者は多頭飼育、完全室内飼育であり、落下や事故などの外傷歴はなく、過去に跛行を呈したことはない。

検査所見
 X線検査にて上腕骨頭の内方への変位が認められた。また側面像において、上腕骨頭と肩甲骨が重なる所見が認められた。

治療および経過
 人工靭帯による関節上腕靭帯再建術を選択した。患者は手術から6日後に退院し、術後10日で抜糸を行った。歩様や患肢の運動性および負重は徐々に回復し、安定した歩行が可能となった。現在、患者は良好に推移している。